生成AI

NotebookLM活用術2025|基本機能・事例完全ガイド

「資料探しに1時間、読み込みに2時間、要約作成にさらに1時間…」
そんな非効率な情報処理を根底から覆すツールが存在します。

Googleが開発した、NotebookLMを使えば、100ページの資料も数分で要約完了。

散らばった10個のファイルも一瞬で横断検索できます。

さらにNotebookLMは、音声でポッドキャスト形式(2人の掛け合い)での要約まで生成してくれるのです。

従来の情報収集・整理は「読む→整理する→まとめる」の3段階プロセスでした。

しかし、NotebookLMは「アップロードする→質問する」の2ステップで完結させます。

実際に、活用している人からは

「資料準備の時間が劇的に短縮された」
「論文レビューが格段に楽になった」

といった声が続々と上がっています。

本記事では、GoogleのNotebookLMを使って業務効率をアップする具体的な方法と、2025年最新機能まで余すことなく解説していきます。

NotebookLMで変わる3つの業務シーン

主なポイント:

  • 外部情報のリサーチ効率が向上する
  • 散在する情報を一元管理して即座にアクセスできる
  • 論文レビューから引用まで研究効率が向上する

NotebookLMを導入することで、従来の情報処理方法がどのように変わるのか、具体的な業務シーンを紹介します。

とくに時間のかかっていた作業が、どれほど効率化されるかを実感できるはずです。

外部情報のリサーチ効率が向上する

マーケティング職や営業の方なら、クライアント業界の最新動向や競合他社の公開情報を調べる機会が多いでしょう。

従来のやり方は、複数のWebサイトを巡回し、PDFレポートをダウンロードして個別に読み込む必要がありました。

NotebookLMなら、業界レポート、競合他社のプレスリリース、公開されたホワイトペーパーなどを一つのノートブックに集約できます

まとめてくれるだけではありません。

「業界Xの最新トレンドは?」
「競合他社Yの新サービスの特徴は?」

といった質問に、複数の資料を横断して回答してくれるのです。

通常なら30分かかる情報収集と分析が大幅に短縮され、AIによる要約で重要ポイントを瞬時に把握。

外部セミナーの配布資料や公開されたケーススタディも同様に処理でき、提案準備や企画立案の質が格段に向上します。

散在する情報を一元管理して即座にアクセスする方法

情報が複数のツールやフォルダに分散していると、必要な時に必要な情報を見つけられません。

NotebookLMでは、1つのノートブックに複数のソース(PDF、Webページ、音声ファイルなど)を登録が可能

それらをAIが横断的に検索・分析してくれます。

例えば「プロジェクトXの予算関連の情報をまとめて」と指示すれば、複数の資料から関連情報を抽出し、整理された形で提示。

クロスドキュメント検索機能により、複数資料にまたがる情報も一度に把握できるため、全体像の理解が格段に深まります。

もう「あの資料、どこに保存したっけ?」と悩む必要はありません。

論文レビューから引用まで研究効率が向上する仕組み

研究者や学生の方にとって、週10本以上の英語論文レビューは大きな負担です。

手動でノートを作成すると重複や引用ミスが発生しやすく、本来のやるべきことに費やす時間が削られてしまいます。

そこでNotebookLMなら、論文PDFをアップロードするだけで自動要約が完成。

重要な研究結果、手法、結論を構造化して整理してくれます。

「この研究の限界点は?」
「実験手法で注目すべき点は?」

といった専門的な質問にも、論文の該当箇所を示しながら回答します。

NotebookLMが、他の生成AIの仕組みと大きく違うのが、アップロードした資料のみから情報を抽出する点です。

インターネット上のあまり関係のない資料が混入することがなく、純粋にあなたが選んだ論文や資料に基づいた信頼性の高い回答を得られます。

これにより、研究の正確性を保ちながら効率を向上できるのです。

引用作成時も、参照元が明確に表示されるため、正確性を保ちながら効率的に文献管理ができます。

初回セットアップから活用まで3ステップ

主なポイント:

  • アカウント作成からノートブック設定までの基本手順
  • Chrome拡張機能でワンクリック情報収集が実現
  • 質問の仕方で結果が変わるプロンプト術

アカウント作成からノートブック設定までの基本手順

NotebookLMの利用の開始方法は、とてもシンプルです。

Googleアカウントがあれば、NotebookLMの公式サイト(notebooklm.google.com)からすぐにアクセスできます。

手順1:ノートブック作成

「新規作成」をクリックし、プロジェクトや用途に応じたノートブック名を設定します。

例:「2025年Q1提案資料」「化学論文レビュー」など。

手順2:ソースの追加

画面左側の「ソースを追加」から、様々な形式のファイルをアップロードできます。対応形式は以下の通りです:

  • ファイル形式:PDF、.txt、Markdown、音声(MP3など)
  • Google製品:Googleドキュメント、Googleスライド
  • Web関連:WebサイトのURL、YouTube動画
  • 直接入力:コピーしたテキストの貼り付け

ファイルサイズや形式の制限はありますが、ほとんどのビジネス文書や研究資料に対応しています。

手順3:基本設定の確認

左上の「ソース」タブから、使用する資料を選択できます。
(使用しない資料のチェックを外す)

有料版を使用している場合は、プライバシー設定やノートブック共有の可否を確認し、チーム利用の場合は適切な権限設定を行います。

Google Chrome拡張機能でワンクリック情報収集が実現

情報収集の効率を格段に向上させるのが「NotebookLM Web Importer」Chrome拡張機能です。

インストール手順:

  1. Chrome ウェブストアで「NotebookLM Web Importer」を検索
  2. 「Chromeに追加」をクリック
  3. ブラウザ右上に「N」アイコンが表示されることを確認

活用方法: WebページやYouTube動画を閲覧中に拡張機能アイコンをクリックするだけで、コンテンツがNotebookLMに自動保存されます。

使いたい情報を見つけてからの整理が、とても楽になる拡張機能です。

クライアント企業の最新ニュースや業界動向を瞬時にストックしたり、関連論文や学会情報をワンクリックで蓄積できます。

質問の仕方で結果が変わるプロンプト術

NotebookLMから有用な回答を得るには、他の生成AI同様、質問の仕方が重要です。

具体的で明確な質問を心がける

  • 悪い例:「このプロジェクトについて教えて」
  • 良い例:「プロジェクトXの予算オーバーの原因と対策案をまとめて」

文脈や目的を明示する

  • 「上司への報告用に、今週の進捗状況を3つのポイントで整理して」
  • 「学会発表用のスライド作成のため、この論文の新規性を強調したい部分を抽出して」

段階的に質問を深掘りする

最初は概要を聞き、その後で詳細を掘り下げる方法も有効。

「まず全体概要を教えて」
→「特にリスク要因について詳しく説明して」

といった流れで深掘りすると、より詳細で具体的な情報が段階的に得られて理解も深まります。

2025年最新機能6選とその活用法

主なポイント:

  • Audio Overview機能でポッドキャスト形式の要約生成
  • 最新AIエンジン搭載で音声・動画の文字起こし精度が向上
  • サブスクリプションで大量ファイル処理が可能に
  • マインドマップ機能で情報を視覚的に整理
  • 高度なチャット設定機能でAI回答をカスタマイズ
  • チーム連携機能で安全な情報共有とアクセス管理を実現

NotebookLMは2025年に入ってから機能強化が行われ、より実用的なツールへと進化しています。

ここでは最新情報とその具体的な活用方法を、実際の業務シーンと合わせて紹介します。

Audio Overview機能でポッドキャスト形式の要約生成

通勤時間や移動中にも情報をインプットしたいというニーズに応えるのがAudio Overview機能です。

アップロードした資料をもとに、専門家同士が対談しているようなポッドキャスト形式の音声要約を自動生成

重要ポイントを自然な会話形式で聞けるため、難しい内容でも理解でき、記憶に残りやすいです。

具体的な使用シーン:

  • 長時間の移動中に業界レポートの内容を把握
  • ランニング中に論文の要点を復習
  • 車通勤中にプロジェクト資料の予習

最新AIエンジン搭載で音声・動画の文字起こし精度が向上

最新のGeminiモデル搭載により、音声・動画コンテンツの処理能力が大幅に向上しました。

文字起こしの活用例:

  • 会議録音から自動議事録作成
  • YouTube動画(研修動画、業界セミナーなど)の要点抽出
  • 顧客へのプレゼン音声から改善ポイントの分析

音声認識の精度向上により、専門用語や固有名詞も正確に認識され、より実用的な文字起こしが可能になっています。

サブスクリプションで大量ファイル処理が可能に

サブスクリプション*加入することで、NotebookLMの使用量が、それぞれ無料版の5倍以上に増えました。

*該当するサブスク:Google AI Pro、Google Workspace、Google Workspace for Education、法人向けGoogle CloudのNotebookLM

NotebookLM NotebookLM in Pro
ノートブック数 100 500
ソース数 50 300
チャットクエリ数/1日 50 500
オーディオ生成数/1日 3 20
共同作業者のソース数 300 300

大規模プロジェクトや長期研究での本格運用が可能になります。

複数の案件を並行して管理する人や、大量の文献を扱う人にとって大幅な改善です。

※以前はNotebookLMにPlusプラン(有料)がありましたが、現在はNotebookLM単体では課金できず、いずれかのサブスクリプション加入が必須になりました。

マインドマップ機能で情報を視覚的に整理(Pro版)

マインドマップ機能は、アップロードした資料から主題とその関係性を視覚化してくれる機能です。

活用方法:

  • 複雑な論文や報告書の全体構造を一目で把握
  • プロジェクト関連資料の要点と関連性を視覚化
  • 学習内容の整理と記憶定着の促進

使い方は簡単で、ノートブック画面の「マインドマップ」ボタンをクリックするだけ。

数秒で分岐図が生成され、各ノードをクリックして詳細情報にアクセスできます。

大量の情報を扱う人や、複数案件を管理する人にとっては、情報の全体像把握が劇的に変化するでしょう。

高度なチャット設定機能でAI回答をカスタマイズ(Pro版)

AIの回答スタイルと出力の長さを細かくカスタマイズできるようになりました。

設定オプション:

  • 回答スタイル:「ガイド」「アナリスト」または独自スタイルの作成
  • 出力の長さ:「長い」「短い」から選択
  • 専門性のレベル:用途に応じた詳細度の調整

例えば、上司への報告用には「短く簡潔なアナリスト」スタイル、自分の学習用には「詳しく説明するガイド」スタイルと使い分けることで、より目的に適した回答を得られます。

チーム連携機能で安全な情報共有とアクセス管理を実現(Proプラン以上)

強化されたチーム機能により、組織での安全な情報共有も可能になりました。

Chat-only機能

ノートブックを他の人と共有する方法を、カスタマイズできます。
  • 全体共有:ソース(元情報)やメモも含めて全部見せる
  • チャットだけ共有:「チャット部分だけ」見せることも可能です

ノートブック分析

自分を入れて5人以上と共有されている、過去7日間のノートブックの利用状況について、以下の2つのポイントを確認できます。

  • 1日あたりのユーザー数
  • 1日あたりの質問数(クエリ数)

研究グループでは機密性の高い論文を安全に共有しながら、ビジネスでは顧客情報を保護しつつ必要な知見だけを展開できます。

管理者は分析機能で活用状況を把握し、チーム全体の生産性向上を図れるでしょう。

サブスクのプランによって、データの保護レベルが異なるのでインプットする内容に注意が必要です。

  • Google AI Pro:フィードバック提供時に人間がクエリ、アップロード、AI応答をレビューする場合あり
  • Workspace・Education:アップロードファイル、チャット、AI出力は人間によるレビュー対象外となり、AIモデルの改善にも使用されない
  • Enterprise:ファイルはGoogle Cloud Platformプロジェクト内に保持され、データの地域化要件に対応。すべてのファイル、チャット、AI出力は人間レビュー対象外かつAIモデル改善に非使用

NotebookLM無料版と有料版の選び方

NotebookLMの無料版のままでいいのか?サブスクプランに加入して、もとが取れるのか気になる方もいるでしょう。

そこで無料版とサブスクプランのGoogle AI Proの内容もチェックして比較してみましょう。

無料版で十分な場合
  • 個人での軽い情報整理
  • 月数回程度の利用
  • 基本的な要約・質問応答機能のみ使用
Google AI Proに加入して、NotebookLMの使用量を拡張
  • 大量の資料を継続的に処理
  • チームでの本格運用
  • 1日に複数回のAI処理を実行
  • Audio Overview機能を頻繁に利用
Google AI Pro(月額2,900円)に加入して得られること(一部抜粋)

  • Gemini app:Geminiの最先端モデルとそのディープリサーチ機能により多くアクセス可能
  • Flow:シーンやストーリーを作成できる映像制作ツールで、Googleの動画生成AIのVeoの最新モデルに限定アクセス可能
  • Whisk:Veoの画像から動画生成で、より高い制限枠を使用可
  • クラウドストレージ:GoogleフォトやGmail、ドライブに対応する2TB

Googleユーザーであれば、単体のNotebookLMだけでなく、生成AIの機能や既存サービスも優遇あり、Googleエコシステムの恩恵を受けられます。

NotebookLM使用量の拡張に加え、Google製品をまとめて活用したい方にとってお得なパッケージでしょう。

まとめ

NotebookLMは、Googleが開発したAI搭載の情報整理ツールで、現代のビジネスパーソンや研究者が抱える「情報過多」の課題を根本から解決してくれます。

NotebookLMと他の生成AIとの違い:

  • 従来の「読む→整理する→まとめる」プロセスを「アップロードする→質問する」の2ステップに短縮
  • アップロードした資料のみから情報抽出する信頼性の高いAI回答
  • 外部情報のリサーチから論文管理まで幅広い用途に対応

2025年最新機能の進化:

  • Audio Overview機能でポッドキャスト形式の要約生成
  • マインドマップ機能による視覚的な情報整理
  • Chrome拡張機能でのワンクリック情報収集
  • チーム連携機能による安全な情報共有

料金体系の柔軟性:

無料版で基本機能を十分活用できますが、無料版の使用量を超える場合は、Google AI Proなどのサブスクリプションに加入が必須。
5倍の容量と高度な機能が利用可能になる。

NotebookLMの活用で、膨大な情報の海から必要な情報を瞬時に抽出できるので、資料作成や、意思決定など、ビジネスにも学術分野でも使用できます。

きっと「もっと早く知りたかった」と思えるツールです。

作業に追われる日々から、クリエイティブで価値ある仕事に時間を使えるようにしましょう!